「ボストンキャリアフォーラム(通称:ボスキャリ)」海外に留学している学生さんなら一度は耳にしたことがあるでしょう。
年に一度ボストンで開催され、世界で名だたる企業が一斉に集まる一大就活イベントです。
ボスキャリに参加すれば「開催3日間で内定がもらえる」という噂もあり、就活の狙い目にしている留学生も多いのではないでしょうか。
しかし、海外での就活は周りに同じ環境の仲間が少なく、情報を手に入れるのが困難なため、1人で進めようにも実態がイマイチ掴めないのも事実だと思います。
そこでこの記事では、ボスキャリの特徴や参加方法、当日の流れなどについて、徹底解説します。これを読んで、今日からボスキャリに向けて準備を始めましょう。
目次
そもそもボスキャリとは
ボスキャリとは、海外留学を経験した日本人学生向けにアメリカのボストンで毎年11月に3日間開催される合同説明会のような就職イベントです。
多くの海外留学中の学生や、留学経験のある学生がボストンを訪れ、ボスキャリに参加します。
もともとは海外留学で日本の就活をするのが難しい留学生向けに何かできないかという問題意識から生まれましたが、現在は留学生にとって世界最大級の就活イベントになっています。
ボスキャリには外資系コンサルや外資系投資銀行をはじめ、商社や日系金融機関・大手メーカーなど総勢100社近くの企業が毎年参加します。
そのため海外経験を生かしたい学生にとっては様々な優良企業と一回で多く出会える絶好のチャンスとなっています。
「グローバル人材がほしい企業と留学経験を生かしたい学生」
まさに需要と供給が一致した就活イベントとも言えます。
また現在はボストンだけでなく、ロサンゼルスや日本国内、アジアやヨーロッパでも関連イベントを開催しており、ボストンまで行かなくても、同様のチャンスをつかめるイベントが展開されています。
興味のある方は、こちらのリンクからホームページへ。
ボスキャリの特徴
いち早く内定が取れる
1つ目は、内定が最速3日でもらえることです。
一般的に日本で行われる就職活動は、長い時間を掛けて学生の能力や人柄を深堀りするため、内定を獲得するのに数ヶ月はかかります。
しかし、このイベントでは会場で一次面接から最終面接が行われるなど、場合によっては面接を受けた当日に内定を獲得できることもあります。
そのため1つ1つの面接時間が短く、その限られた時間の中で自分をアピールする必要があるということです。
時間的・場所的余裕があまりない海外在住の就活生にとっては「グローバルキャリアの開発×即日内定」 ということで非常に貴重な機会といえます。
ウォークインが可能
ウォークインとは、簡単にいうと当日受付のことです。
各企業が行う説明会に参加し、興味があった企業にその場で履歴書を提出し選考を行ってもらうことができます。
参加企業も大手からベンチャー、日系から外資系まで、多種多様な業種の企業が参加しているため、説明会を通じて新たに興味を持った企業にその場で応募できるいい機会となっています。
もちろん、事前応募する方が確実なのですが、実際にウォークインからボスキャリ中に内定をもらうケースも多々あります。
インターンの参加権がゲットできる
ボスキャリ参加企業の中には、本選考とは別にインターンシップを募集している企業もあります。
ここでいうインターンシップとは以下の2種類があります。
1dayや3daysといった短期のインターンシップ
大学2年生向けに来年度の夏から参加可能な長期インターンシップ
インターンシップに参加することで、その先の選考につながることもあるので、興味のある企業がインターンシップを募集していないかを確認し、この機会に是非応募してみましょう。
日本国内では募集していないインターンや選考の倍率が高いインターンでも、ボスキャリ経由の応募により参加のチャンスが拡大しますので、これもメリットだと言えますね。
ボスキャリ公式サイトの企業概要のインターンシップ項目に募集情報が記載されているので、一度目を通してみることをお勧めします。
誰が参加できる?
ここまでで魅力だらけのボスキャリですが、一体だれに参加資格があるのでしょうか。
公式サイトでは以下のように表記されています。
・日本語力、英語力共に少なくとも初級レベルをお持ちの方で以下のいずれかの条件を満たす方
・日本国外の大学の学士又はそれ以上(修士、博士等)の学位をお持ちの方、又は取得予定の方
・留学経験をお持ちの方で日本の大学の学士以上の学位をお持ち(取得予定)の方
・留学経験をお持ちの職務経験者や海外での職務経験をお持ちの方
ボスキャリの参加企業にはもちろん英語が公用語の外資系企業から、海外に展開している日系企業の海外部署や国内本部などの幅広い種類の求人が集まるため、最低限の基準が求められるのが実情です。
ただし、これはボスキャリへの参加条件であって、各企業の応募要件はそれぞれ異なります。
全ての企業がネイティブレベルを要するわけではありませんが、ビジネスレベル以上を望む企業が多いようです。
詳しくは各企業の応募要件で必要な言語レベルを確認してみてください。
どうすれば参加できる?
参加条件を確認した上で、続いて参加方法を見ていきましょう。
参加方法
まずボスキャリの公式サイト上で参加登録をする必要があります。
ボスキャリのサイトページの下部に表示される「このキャリアフォーラムに参加登録をする」をクリックすると、登録を進められるようです。
参加登録が済んだ後は、レジュメの作成と参加企業の募集要項を確認しましょう。興味のある企業が見つかり次第、オンライン応募を済ましておくといいでしょう。
また、早めにホテルや飛行機を確保し、予約する必要があります。
多くの学生がボスキャリに参加することが想定されるため、会場周辺のホテルはすぐに満室になる恐れがあります。
持ち物
履歴書(レジュメ)
日本語と英語の両方を用意し、それぞれ15枚ほど印刷して用意しておきましょう。
会場にプリンターがあるため、もしもの場合は現地でプリントすることができますが、事前にプリントして多めに持っていく方が好ましいです。
証明写真
履歴書のサイズを確認し、事前に撮っておきましょう。
履歴書と証明写真は別々に持って行き、証明写真の後ろに両面テープを貼っておくと、 必要な際に簡単に履歴書に貼れるため便利です。
クリアファイル
履歴書の提出時や企業の説明資料など、重要な書類を保管しておく際に役に立ちます。
1つで中身が分かれているクリアファイルがあればより便利でしょう。
スマートフォン
ボスキャリ当日はCFNアプリを用いて入場します。
事前にダウンロードをしておくとスムーズに入場できるでしょう。 面接やディナーに関するやりとりも企業の方と行うため、スマートフォンは必須といえます。
SIMカード
現在アメリカに在住の方は心配ないですが、日本やアメリカ国外からボスキャリへの参加を考えられている方にはSIMカードは必需品といえます。
現地についてから空港で購入するというのも1つの方法ですが、現地での不安を少しでも減らしたいという方には、支払いから開通手続きまで事前に済ませた状態で渡米することをお勧めします。
当日になってドタバタすることなく、ボスキャリにより集中できるでしょう。
私が現在利用しているSIMは日本にいる間に開通手続きを無料で行ってもらえたので、事前にアメリカの電話番号を知ることができたという点で非常に安心して渡米できました。
またLINEによる日本語カスタマーサポートも充実しているため、SIMカードに関して気になることがあればいつでも質問でき、24時間以内にサポートが受けられます。
アメリカ国内のみならず、国際通話、テキストメッセージもし放題なので、まだSIMをどこにしようか検討中の方にはお勧めです。
筆記用具
エントリーシートをその場で書いて応募しなければならないということもあるので、事前に用意しておきましょう。
会場にペンは置かれていますが、自分のペンを持ち歩いておく方がスムーズでしょう。
水
当日は大きな会場を歩き回り、沢山の人と話す機会もあります。是非持っていきましょう。
スマホの充電器
スマホは必需品のため、スマホ充電器も忘れず持っていくようにしましょう。 スマホ充電器の充電をしておくことも忘れずに。
USBメモリ
履歴書が足りなくなり、会場のプリンターを使って印刷する際に必要です。
履歴書を多めに持っていくのはもちろんですが、万が一のためにUSBに履歴書(日英)のデータを入れて持っていきましょう。
キャッシュ
コートを預けるときのために、財布の中にキャッシュを入れておきましょう。
軽食
シリアルバーやサンドイッチなど、簡単にサクッと食べられる軽食を用意しておくとランチの時間を節約できるのでおすすめです。
パソコン
少し荷物が重たくなるかもしれませんが、会場で調べものをしたり、履歴書を訂正したい際にパソコンがあると便利です。
会場には無料のWiFiもあるので、心配な方は持っていきましょう。
服装
スーツ
やはりスーツの着用が基本です。 日本からスーツを持ってきていない留学生は今のうちに用意しておくことをお勧めします。
靴
ビジネスシーンで違和感のない、シンプルなデザインの靴を持っていきましょう。 当日はそれなりに歩くため、履きづらい靴はお勧めしません。
かばん
かばんは特に指定はないですが、色は黒などシンプルなものが無難です。 履歴書や現地でもらう資料を、きれいに収められるだけのサイズのものであれば安心でしょう。
コート
コートは入り口前で預けられるため、企業の方の目につくことはないですが、 ディナーがある場合は、そこで見られるので、無難でシンプルなデザインのものを選ぶといいでしょう。
また2023年のボスキャリは11月の3週目(17-19日)に開催されるため、 11月の2週目に開催されていた例年とは異なり、気温がより低いことが予想されます。
マフラーやカイロなどの防寒対策をしておくことをお勧めします。
ストッキング
女子はストッキングが伝線する可能性もあるので、念のためストッキングは持ち歩くようにしておくと安心です。
参加企業
参加企業は現時点(9月21日)で165社です。
企業は大きく2種類に分けられます。
海外展開のためグローバル人材を必要とする日系企業
日本支社を持つ外資企業
参加企業の一部を業界ごとに分けてみました。
区分 | 会社名 |
外資系 金融 | ・ゴールドマン・サックス ・シティグループ |
外資系 コンサル | ・KPMGジャパン ・デロイトトーマツコンサルティング ・PwC コンサルティング ・アクセンチュア |
外資系 IT | ・Amazonジャパン |
日系 コンサル | ・大塚商会 |
日系 商社 | ・伊藤忠商事 ・双日 ・三井物産 |
日系 メーカー | ・東芝 |
日系 ベンチャー | ・GA technologies ・レバレジーズ |
どの参加企業も、いわゆるビッグネームといわれるような人気企業ばかりです。
参加企業は随時CFNホームページをチェックしておきましょう。
選考フロー
ここではボスキャリの選考フローを確認していきましょう。
ボスキャリへの参加方法は先程述べた通りですが、これとは別に参加企業への応募が必要です。
応募方法としては事前応募とウォークインの2パターンあります。
事前応募
事前応募とは文字通り、ボスキャリ本選が始まる前に公式サイトから応募することを指します。
流れとしては、
公式サイトから応募
⇩
エントリーシート提出
⇩
Webテスト
⇩
事前面接・電話面接
⇩
当日面接(ボストン)
⇩
ディナー
⇩
最終面接
⇩
内定
ES提出やWebテストを事前に行うため、ボスキャリ当日は面接のみが残っているということになります。そのため時間に余裕を持ちながら、会場を回ることができます。
また、事前応募での内定獲得率は当日エントリーに比べ、かなり高いことがこれまでのボスキャリに参加した先輩方からのデータで分かっているので、興味がある企業には必ず事前応募しておきましょう。
ウォークイン
ウォークインとは、事前に予約することなく飛び込みで当日応募することを指します。
こちらは、前述の事前応募で弾かれてしまった企業にも履歴書を提出できるため、事前応募で落ちた場合でも、もう一度ウォークインで挑戦できるということです。
ただし、ウォークインを受け付けていない企業も少なからずあるため、行きたい企業には必ず事前応募をしておきましょう。
ウォークインで書類選考を通過した場合は、ボスキャリ中に企業から連絡があり、翌日や早ければ当日に面接を実施し次のステップへと進んでいきます。
エントリーシート提出
⇩
当日面接
⇩
ディナー
⇩
最終面接
⇩
内定
一見すると、後者のウォークインのほうが手軽そうに見えますが、実際の内定率は事前応募のほうが圧倒的に高いのが事実です。
ウォークインに全てかけるのではなく、事前にきちんと準備をして当日に挑みましょう。
内定を勝ち取るために必要なこと
ウォークインではなく事前応募
ボスキャリといえば「3日で内定がもらえる」とよく言われますが、それは「事前応募」を経た話であり、ウォークインでボスキャリ中に内定をもらうのはかなり稀です。
繰り返しになりますが、ボスキャリ中に内定をゲットしたいのであれば、あなたが志望する企業に必ず「事前応募」しておきましょう。
2019年に開催されたボスキャリでは、参加者の49.8%が内定を獲得できましたが、 このほとんどが事前応募によるものだったようです。
ボスキャリ当日の面接枠は、事前応募でほとんど埋まっているため、ウォークインからの面接枠が多くないからです。
また事前応募では、履歴書や面接に関する準備をしっかり進められ、数ヵ月かけて自分がどういった人間かをアピールできるのに対し、ウォークインは即興で企業にアプローチする必要があります。
そのため、ボスキャリを成功させたいのであれば、 ウォークインではなく、事前応募を軸にスケジュールを組みましょう。
複数の強みを用意
ボスキャリでは、英語力がそのまま強みになることはありません。
ボスキャリに参加する学生は、それぞれ海外経験のバックグラウンドを持っており、 英語力は前提条件としてあるからです。
企業側も英語力はあるものとして、それに加えて世界で活躍できるグローバル人材を求めています。
そのため、あなたにしかない強みを複数持っておくことが重要です。
企業側はどんな人材を欲しがっているのかを想像し、そこに自分の強みを合わせ、自分が企業に貢献できる人材だとアピールすることが大事です。
企業側がどんなスキルや強みを持っている人材が欲しいのか
どの強みを使えば相手に1番響くか
を考えましょう。
その際には
ただ「TOEFL〇〇点」や「簿記〇級」のような事実をそのまま強みとしてアピールするのではなく、それによって企業側が得られるベネフィットについても伝えることが重要です。
準備あるのみ
よく「3日で内定がもらえる」と言われることから勘違いされますがボスキャリは決して楽に内定がもらえる就活イベントではありません。
履歴書、ES提出、Webテスト、動画面接、Skype面接など、準備することは日本の就活と変わりません。
しかしスケジュールとしては非常に過密なため、約2~3ヶ月間という短期間で全て行わなければなりません。
就活に関しては、万全の準備がモノを言います。
後悔しないようにできる準備は十分にしておきましょう!
まとめ
本日は留学生にとっての一大就活イベント「ボスキャリ」について解説しました。
海外での就活は日本と異なり、周りに就活仲間が少なく、情報も入手困難なため、不安な方が多いと思います。
本記事がそんな皆さんにとって少しでも役に立てれば幸いです。
今からでもまだ間に合います。
是非この記事を参考に準備を進めていってください。
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